気候がつくる「やませながいも」
青森県は収穫した長芋を状態のよいまま流通させることができる大型施設、長芋が味わいを増す気候、品質を追求してきた先人達から、今もなお語り継がれる向上心、この3つが揃っています。
その1. 甘さを引き出す「やませ」
青森県の太平洋側は、梅雨から秋にかけて吹きつけるオホーツク海気団の冷たく厳しい偏東風「やませ」の影響を受ける地域です。
長芋の産地らしく、長芋の葉が絡んだネットが辺り一面に広がっています。この風景に「やませ」が吹きつけると、たった一晩で緑色の畑が黄色くなる程に影響を受けます。寒冷地特有の昼と夜の寒暖差、そして夏の間に「やませ」がもたらす日中の寒暖差。厳しい環境が功を奏して、土中の長芋はじっくり甘みを増します。
その2.根菜適地の「土」
青森県の太平洋側一帯は、表層腐植質黒ボク土が広がっています。
乾いた土を踏むとボクボクする感じがする事からこの名がつきました。黒ボク土は軟らかく、保水性や透水性が良いので根菜を栽培するのに適していると言われています。
まさに、長芋の他にもごぼうやにんにく、人参などの根菜類の栽培に適地と言えます。
その3.太平洋からの「潮風」
青森県の太平洋側地域の長芋の葉っぱは、潮風に乗ってきたミネラル分を通年浴びています。潮風の微量なミネラル分の影響で生命の危機を感じた長芋は、実を引き締しめ、塩分に負けないように甘さを増すと言われています。
「やませながいも」の品質を保つ環境
平成21年に完成した、収穫後の長芋を洗浄、選別・貯蔵できる大型設備があります。1日48t(約5万本近く)の長芋を処理できる他、1,996トン(約200万本)を保管できる貯蔵庫も備えています。この施設があることで、掘りたての鮮度を保った長芋を消費者の方にお届けできるのです。【やませながいもの商品に関してはこちら】
品質向上!追求される「やませながいも」
青森県が、日本一、二の長芋の収穫量を誇れるようになるまでは、それは安易な道ではありませんでした。先人たちがこの地に種いもを持ち込んでから、品質の向上が追求され続け、種子のない長芋は優良種を作るまで最低でも十数年はかかりました。自然の力を最大限に生かした土作りの研究や、勉強会などを通して、品質を守り続ける現代の生産者たちがいてこそ、青森県の長芋の味は保たれています。
良い種いもをつくる!
青森県の長芋栽培の歴史で、栽培面積を増やすのに他の地域から種いもを持込んだ結果、病気が蔓延し品質と価格が暴落したという事がありました。また、長芋栽培に見られる特性で同じ畑で作り続けると連作障害を起こし病気や品質不良へ繋がります。これらの原因を追求し改善を繰り返し、良い種いもを選抜してきた、先人たちの努力によって品質が安定するようになりました。
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品質を競い合う!
長芋の食味の追求とブランド化のため、「おいしい長芋決定戦(JAゆうき青森主催)」が毎年開催されています。決勝では小さめの角切りにした長芋を生で試食し投票する、という食味の真っ向勝負が繰り広げられ、出品者はこの戦いで上位を勝ち取るために品質の向上を図ります。こうした食味を競う取り組みが「消費者に美味しいながいもを届けたい!」という生産者の意識も向上させています。